交流分析から見たコミュニケーション 彼氏彼女編

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子供が最近毎朝5時前には起きる。。。起きるというか起こしてくる。しかも太陽に合わせてどんどん早くなってる。今年の夏至は6月21日らしいから、このままいくと、あと3週間は早くなっていく。。。

目次

  1. イントロダクション
  2. 今日のテーマ
  3. それぞれについての解説
  4. 再度ポイントのまとめ
  5. カウンセリングの現場では・・・
  6. 逆説的考察
  7. 映画で考える心理学
  8. エンディング

今日のテーマ

  1. 交流分析について理解できます
  2. 交流分析をつかって彼氏(彼女)とのコミュニケーションを分析します
  3. 自分と相手のコミュニケーションのパターンやそれにともなう誤解を理解できます

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コミュニケーションの構造を簡単に理解できるツールを使って、彼氏(彼女)とのコミュニケーションを改善しよう。

それぞれについての解説

  1. 交流分析とは?
  2. エリックバーンという心理学者が提唱した、コミュニケーションの分析および改善の方法です。
    交流分析では人の中には3つの人格があると考えます。その3つとは
    1.P 親のように振る舞う人格。ここでいう親とは自分の親の行動や思考パターン。PはさらにNPとCPの2つに分かれます。NP(nurturing parent)とは寛容的、受容的、保護的な親という意味で、簡単にいうと優しく受け入れ暖かく見守るお母さん的な人格。CP(critical parent)とは規範的な親という意味で、こうするべき、こうするのが正しいという厳としたお父さん的な人格を指します。
    2.A 冷静かつ客観的に状況を捉え、理解する人格。大人の人格。
    3.C.子供のころの振る舞いそのままの人格。子供の部分。CはさらにFCとACに分かれます。FC(Free Child)は自由奔放な子供の人格、AC(Adapted Child)は他者に対してあわせてしまう子供の人格を指します。

    そして人間はコミュニケーションを取る際に、この3つのいずれかで対応すると考えます。
    つまり、通常ですと、成人どうしてあれば大人のコミュニケーションを期待するわけですが、実は対応している人格はAでなく、の時もあればCの時もあると捉えるわけです。例えば、相手が遅刻してきた場合、遅れてきたことを何事もなく対応できる、あるいはさらりと理由を聞いて終わり、ということができる人もいれば、P(CP)が登場して、遅刻することの問題点を延々と詰めてきた挙句に、反省(というより後悔)した態度を相手が見せるまで気が済まない人がいたり、あるいは、C(FC)が登場して、一人ぼっちにされた辛さから、あなたが現れたことで今度は逆に怒りが湧いてきて、怒鳴り散らす人もいます。(ちなみに交流分析ではこういったやりとりを「ストローク」といいます)

    人はどんなにさびしんぼうでも、孤独が好きだという人でも、やはり他人との交流(他人からの承認)なしでは生きていけません。世の中には好んで人が起こることをあえてしたり、あるいは好んで人にいじめらたりする人がいますが、これはそうまでしてでも、人は他人との交流をしたいということです。親に構ってもらえなかったけど、親がいやがることをしたら自分に関心を持ってくれた。これが成功体験となり、大きくなっても、ひどい場合には成人後もこのCが出てきて、Aの代わりにストロークの受け返しをします。

  3. Pの問題点はなにか?
  4. Pは一見Aとの違いが無いように見えますし、問題が特にないようにも見えますが、大きな違いがあります。それは
    1.Pは自動思考(反射的に出てくる)に近いが、Aは考えている
    2.Pは感情を伴うことも多いが、Aは冷静である
    です。
    ほとんど親が書き上げた道徳観や価値観、正義感、愛、おとながすべきこと・・・などを自動的になぞっているだけです。
    むしろ自分が反応(ストロークを返)しているのでなく、親が来て自分の代わりにストロークを返しているといってもいいでしょう。

    また正当に相手を批判しているつもりでも、怒り(FC)が最初にあり、その怒りを隠し、正当化するためにCPが代弁している場合もあります(FC+CP)。先ほどの相手が遅れてきたら、ものすごい怒りとともに、相手がやったことを滔々と批判する場合、実は俺を一人ぼっちにしやがってどんなに寂しい思いをしたとおもっているんだよ!っていうFCを、大人は5分前に集合場所につくのが原則で、それができないのは相手を見下す心がどこかにあるからだと小さい頃から親に言い聞かされたCPが代弁してストロークを打ち返しています。

  5. なぜPやCが出てくるのか?
  6. マズローは人間の欲求は欠落から来るといいました。欲しいと思うのは基本的なものが満たされた感覚が欠落しているから欲望が起こるといいました。そして、満たされていないことに対して人間は悲しみあるいは真逆の怒りのエネルギーが発生します。このエネルギーは外に出る機会を常にうかがっていて、自らで消滅することはなく、発散のみが消滅する方法です。このエネルギーに乗っ取られると出てくる人格がPやCといえます。

  7. 交流分析の応用
  8. 恋愛についていうと、交流分析の観点では、CとCのつながりだといえます。社会的にはCは出すことが公共の場では許されていません。ですが、Cは人の基本部分であり、出したい部分であり、相手に受け入れてもらいたい部分です。自分のまがままなところを受け入れてほしいですし、子供っぽいところを受け入れてほしいですし、逆に相手のそういったところを知りたく、また受け入れたいとお互いが思うのが、交流分析でいう恋愛状態といえます。ですがこの状態に行く前に、男女はお互いの興味をひくために、一生懸命自分のAを演じます。ですので男女間の一つの問題はこのA同士で結びついた2人がCを見せ始めたときに起こります。また、Cをお互いに見せられる恋人同士とはいえ、いつもCとCのやり取りばかりというわけではありません。時と場所、場合によってはお互いのPもAも登場します。この取扱いを間違えることで、相手とのコミュニケーションがうまくいかなくなるのです。いずれの場合も原因は以下の2つです。
    1.相手が期待しているPACと違うPACのストロークを相手に投げる。
    2.相手が投げてきたストロークのPACの種類とことなるストロークを相手に返す。
    ※相手のCに対してAで切り返し、あえてレイヤーを下げないという対応もありです。いずれにしても相手の投げてきたストロークを正しく認識することが必要です。

    1. 彼氏(彼女)に対して寛容すぎる自分がいる
    2.  例:相手がFCを出してきて、筋の通らないあるいは公平でない要求をしてきたにも関わらず、NP(自分のもつ自分の母親のような部分。母親そのもの)でそのFCの相手をすることから起こる食い違い。
       相手のFC:「俺が部屋を散らかすのは俺の勝手だろ?」
       自分のNP:「しょうがないなあ。私(母さん)がかたずけてあげるわよ」(といって我慢がつのる。いつか爆発する。彼もどんどん堕落する)
       ↓
       自分のFCが対応したら・・・「じゃあ私も勝手にしよっ!散らかすの手伝ってあげるよ~。それとも片付けようとするときいつも妨害してあげようかぁ?」
       あるいはAで対応したら・・・「部屋がきれいなあなたの方がずっとかっこいいと思うわ。かたずけられるって頭の良さと関係があると思うし、整理した状態をキープできるっていうのも、物事を達成できる力があるということなんじゃないかしら?もちろんいまでもそうだと思うけど、一層そうなってほしいな。」

    3. 彼氏(彼女)に対して厳しいことを言いすぎる自分がいる
    4.  例:相手がFCを出してきて、筋の通らないあるいは公平でない要求をしてきたので、CP(自分のもつ自分の父親のような部分。父親そのもの)でそのFCの相手をすることから起こる食い違い。
       相手のFC:「俺が部屋を散らかすのは俺の勝手だろ?」
       自分のNP:「自分の部屋を整理もできない人なんて、人として堕落しているわ!それに整理できない人は、仕事もできないはずよ!だいたい・・・」
       ↓
       さっきの例と同じ

    5. 彼氏(彼女)に対して怒ってばかりの自分がいる
    6.  例:相手がAを出してきて、筋の通った要求をしてきたのに、FC(自由奔放な子供の部分)でそのAの相手をすることから起こる食い違い。
       相手のA:「そういう困ったことは会社の上司を頼るのも一つの手だと思うよ」
       自分のFC:「そんなこと私はしたくないわ!」(頼ったりしたら、自分が能力がないと思われるじゃないの!だいたいうちの上司はぼーっとしてる能無しなんだから。。。)
       ↓
       自分のAが対応したら・・・「たしかにあなたの指摘もわかるわ。それは上司の仕事でもあるわけだし。でもそれは一般論でうちの上司には当てはまらないような気がするわ」

    7. 彼氏(彼女)に対して泣いてばかりの自分がいる
    8.  相手のCP:「だからお前は遅刻してくるんだよ。もっと仕事が効率的にやれれば間に合うのに、そういうい考えだから効率的にこなせないんだよ・・・」
       自分のAC:「はい・・・。そうですね。そのとおりです。」(反論する気も起きないぐらい疲れた・・・)
       ↓
       自分のAが対応したら・・・「遅刻と仕事を上手にこなせるかは分けて考えたいわ。それよりも私疲れていて、その議論をするパワーも今は申し訳ないけどないの。少し休ませてくれないかしら?」

再度ポイントのまとめ

  1. 交流分析を知る
  2. 人間の人格はコミュニケーションを取る際に3つに分けられる。PACの3つ。

  3. 誤解は相手のPACを正確に見極めないことから起こる
  4. 相手に合わせるか、Aの対応をするかで対応する

カウンセリングの現場では

カップルセラピーとか、家族療法とか、職場コミュニケーションと呼ばれるものに使います。少人数の社会で起こるコミュニケーションは密ですので、些細な誤解が心のわだかまりを生んだり、それが負のエネルギーを累積したりしますので、コミュニケーションを構造物と捉えて、その構造物の造りを理解する手助けをします。複数でこられるクライアントさんが多いです。精神が健全であれば、その構造を理解しただけで、劇的に改善することが多いです。また、相手をどうのこうのするのでなく、交流分析を理解すると、自分の相手のコミュニケーションパターンのとらえ方と、それにたいする自分のレスポンスの問題だとわかりますし、それによって相手が変わっていくことが実感できます。ほとんどの場合コミュニケーションのスタイルを理解していない誤解から起こる問題がほとんどですが、中には距離を置いた方がよい問題や関係(負が増幅する関係)もありますので、慎重な見極めが必要です。

逆張りを考える

交流分析でコミュニケーションを捉えると、コミュニケーションを建物に見たて、どういう柱で成り立っているのか?どれが大黒柱なのか?など、全体像や力のバランスや重要度の優先順位などが見える化できます。これが分析のメリットなのですが、逆に何でも分析するようになると、なんでも考えるようになってしまい逆に自然にふるまい、対応することが難しくなります。ここが逆説的であり、物事の矛盾しているところであり、面白いところだと個人的には思っています。さて、この交流分析を無意識に上手にやっていると思うのが、お笑い芸人です。漫才とかを見ていても、極度にAが必要な場面を作って、Cを持って来たり、Cで来たのを急にAで切り返すことで緩急をつけたりしています。上手な司会者も、怖い相手に対して切り込むために、こういった手法を上手に使っています。恐らく無意識にやっているとは思いますが、話し手のプロは意識せず(分析、分類なし)こなしていると思います。

映画で考える心理学

イニシエーション・ラブ

映画化不可能っていわれた小説を映画化したもの。それは最後のサスペンスの部分の表現にあるわけだけど。
こういう映画見ると、CでさえAの可能性があることがわかる。正確にいうと、Cが覚醒しているときにAも覚醒しているというべきかな。男女の関係において最初の段階では、女性は如何にCをスマートに見せるか?Cを見せても逃げられず、Cを好かれるか?に対して慎重だといえるし、男性はAを見せようと背伸びをする。相手に甘えてほしい場合はNPがそれにとってかわる。そして、この形で始まるから、男はCを見せられなかったり、理解されなかったりしてイライラするし、女性もそれに対してNPになってCを出せなくてイライラしたり、不安になったりする。Cの交流が十分でないのにAの態度をとって余計に心理的距離をつくったりもする。それが改めてわかる、ベタベタな純愛映画。。。は最後の5分でサスペンスになるためのアクセントだった。

鼻につくぐらいの純愛描写にはちゃんと意味があった。
最後でバランスが取れるようになってます。(リンクは小説)

出だしの続き。。。

となると、夏至の日の日の出は4時27分らしいから、あと30分ぐらいは早くなるということになる。。。こうやって朝このブログを書いている横で息子は午前の昼寝に入り、寝息を立てている。いびきも。うーむ。非常に優秀な目覚ましを手に入れてしまったらしい。目覚ましは役目を果たして満足げだ。

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