目次
- イントロダクション
- 今日のテーマ
- それぞれについての解説
- 再度ポイントのまとめ
- カウンセリングの現場では・・・
- 逆説的考察
- 映画で考える心理学
- エンディング
今日のテーマ
- レスポンド条件付け について知る
- 自分に応用するとどうなるかイメージする
- 結果、ほとんど自動で没頭できる仕組みを理解
それぞれについての解説
- レスポンド条件付け
- 自分に応用すると・・・
- さらに確実性を上げるためのコツとして
たぶんみなさんは「パブロフの犬」という言葉をご存じだと思います。そう、「ベルを鳴らしたらよだれがでるようになった」というあれです。この実験の意味するところは、
1.ベルを鳴らしてもよだれは出ない、つまり2つは関連がない状態がある。
2.一方でエサとよだれには関連が最初からある。
3.ベルを鳴らすとエサがでるというあらたな関連性をもってくる
4.すると、最初に関連のなかったベルとよだれが関連した刺激となってしまう。
ことです。
2の関連性をそれぞれ「無条件刺激」「無条件反応」というのに対して、
4の関連性をそれぞれ「条件刺激」「条件反応」といいます。
賢明なあなたはすでにお気づきだと思いますが、仕事やジョギングなどやりたい、あるいはやるべきなのになかなか取り掛かれない事柄に一気に没頭するために、この「レスポンド条件付け」という仕組みを上手に使うことを考えてみましょう。すでにやっている習慣として、お風呂からあがったらすぐ寝るがあるとします。そして、このお風呂からあがったら、ヨガをベッドに行く前にやりたいとします。この場合、風呂から上がることで眠くなるという条件付けがされていた状態といえます。ここに寝る前にヨガを入れます。すると、ヨガを何度かやっていくうちに、眠ることによる落ち着いた感覚とヨガがセットになり、ヨガを始めると睡眠と同じ感覚が始まるようになります。ヨガと寝ることが結びつきます。
さて、このヨガに取り掛かるということろですが、ここでも「レスポンド条件付け」が使えます。すなわち、これからヨガに取り掛かるシグナルを増やします。具体的には、いつもヨガをする部屋や位置を決めます。これは基本的に変えません。ヨガマットを敷くのもいいですし、音楽をかけるのもいいです。ただし、いつもそうします。音楽は同じものをいつもかけます。ヨガマットの敷き方も同じです。こうしていくことで、寝ようとする刺激が、ヨガをするという行為のスイッチを入れます。ほとんど自動です。そしてそのスイッチが入ると、いつもの場所にヨガマットを敷き始め、いつもの音楽をかけようとしています。そしてヨガが始まるのです。ここまでも自動です。そして何度も繰り返すうちに、寝ることとその前にヨガをする行為は一連のセットになってしまいます。
勉強や仕事であれば、必要な道具が簡単にそろうようにしておくとよいでしょう。そして必ず場所を決めましょう。座り方や部屋の明るさ、音楽、香り、温度なども決めておくと、たしかにその条件になった段階で自動的にスイッチが入る用にはなるのですが、逆にいえば、その条件がないところでは大変だということになります。特定のペンを用意しておき、この筆箱を目の前においたらスイッチがはいるなど、環境変数の影響を受けにくいものをスイッチにしておくのも一つの方法です。ペンをぎゅっとにぎったとたんに没頭状態になるのは、快感ですよー。
イチローが打席に入るときの儀式には、こういった意味と効果が心理学的にはあるといえます。
集中するぞ!という気合のプロセスなくして、無意識は抵抗もなくおとなしく没頭のプロセスへ導いてくれるわけです。お試しを!
再度ポイントのまとめ
- 「レスポンド条件付け」を取り入れる
- 普段日常生活でやっている行為に新しく習慣化したい内容を紐づける
- さらに環境と新しく習慣化したい内容を紐づける
カウンセリングの現場では
良い習慣をとりいれたいというのは相当健全
通常は、悪い思考パターンが存在し、それが原因で本人の生活が危機的状況であるのに、その存在に気付けない。周りから指摘されても理解できない(正確には見ようとしない、見るのが怖い、見るのを避けている)人が多いです。これさえも「レスポンド条件付け」により、快感覚と一緒になることができると、見ることが逆に楽しくなり、改善していきます。ですが、この快感覚でさえ忘れてしまった人もいます。その場合はまた別ですね。
逆張りを考える
賢いみなさんはお気づきの通り、「レスポンド条件付け」は悪い習慣の理解する補助線となります。つまり、悪い習慣ももともと関係なかった2つが、偶然結びつき、その後とりまいた環境により、強固に自動反応するように結びついてしまった(習慣化してしまった)ものです。そしてこれは、別の条件と結びつけることにより消去することが可能です。例えばタバコを吸うということと不快な感情や感覚と結びつけ、やめさせるというものです。例えば催眠療法の第一人者であるミルトン・エリクソン博士は、タバコを吸うことをやめさせる条件として、これからいうことを必ずやるよう強い約束をしたのちに、タバコは今後もいくら吸ってもいいから、1.吸う場所は屋上、2.ライター(つまりタバコに火をつける場所)は地下室、そして3.タバコそのものは屋上に置くように約束させました。つまりタバコを吸う=重労働という「レスポンド条件付け」をしたわけです。彼女は1週間もしないうちにタバコをほとんど吸わなくなったそうです。
映画で考える心理学
セント・オブ・ウーマン
アルパチーノが出演する傑作のひとつで、盲目の退役軍人を演じる彼は盲人そのもので、彼の演技力には圧倒させられ、私もかれのファンになるきっかけとなった作品。非常に偏屈でとっつきにくく、人には大声で突っかかってきて、相手が不快に思うことを笑い飛ばしながらやる。そんな彼は光がないという世界に孤独と絶望を実は感じている。作品はそれをサポートする大学生(彼も金持ち学校に苦労して入ったので、また孤立している)との心の通じ合いがテーマだが、表層にでてきているものというのは、つくづく本心(本人が気づいていない)との正反対であるのだなというのが、イメージとして理解できます。
最後の演説の部分がいいです。
youtubeにその部分がありました。