「すごろくや」というお店に行く。ここはボードゲームとカードゲーム専門店。スペースは狭いが店舗の中は人でごった返していた。ゲームがすでに一般の人が消費する様になった。誰でもスマホを持ち、誰でも無料でダウンロードできる。だけどまったく入り口に敷居(イニシエーション)のない業界はとってもつまらない。そんなの趣味にはならないよな。手紙がネットの登場でメールとして再来したように、コーヒーがスタバの誕生で専門コーヒーの時代が再来したように、ゲームもボードゲームやカードゲームといったものが再来するだろうと思っていたけど、その兆しがココでの熱気にあった。
目次
- イントロダクション
- 今日のテーマ
- それぞれについての解説
- 再度ポイントのまとめ
- カウンセリングの現場では・・・
- 逆説的考察
- 映画で考える心理学
- エンディング
今日のテーマ
- 記憶の仕方に関する知恵がつきます
- 実際、実践してみると記憶力が上がる感覚があるでしょう
それぞれについての解説
- まず忘れるとは何か確認しよう!
- 振り返って記憶力とは
- 強い刺激
- 強いイメージ
- 関連付け
- 眠る
- 出し入れの練習をする
記憶力に関して知る前に、忘れるということを確認しておこう。
我々は時間とともに忘れると思っている。
学術的にも19世紀後半のドイツの心理学者のエビングハウスが提唱した「忘却曲線」が有名で、
無意味綴りをどれぐらい記憶できているかという実験をすると、時間とともにその記憶力が低下するという実験から来ている。
忘却曲線のヘルマン・エビングハウス
しかし、実は今、一旦覚えたことは頭の中に残っているという説の方が有力視されている。
有力視されているものの一つに、記憶痕跡同士が干渉しあうことで想起の妨害をしているという説があります。
J・G・ジェンキンスは、無意味な綴りを覚えたのち、1つのグループはそのまま、もう一つのグループは一回睡眠をさせることで、記憶の想起を比較する実験をしました。すると、一回寝た方が正解率が高かったのです。ヘルマン・エビングハウスがいうように、記憶が消えたわけではないことがわかる実験でした。ジェンキンスは、起きていれば起きているほど、様々な情報が入ってくることで、覚えたことを想起するのが困難になると推測しました。実際、時間が経過してからの方が、すらすら記憶がよびもどったり、作業を上手にこなせるということがよくあると思います。(レミニッセンスといいます)
レミニッセンスとはもともと回想回帰という意味の英語
もう一つは、記憶した情報を検索することに失敗しているのでないかという説です。(検索失敗説といいます)。カナダのトロント大学の心理学者、エンデル・タルヴィングという人は、記憶した情報は、ただ単に思いだしてもらうよりも、それに関連したグループ名(たとえば、覚えた単語がリンゴなら、フルーツなど)を書いた紙を渡した方が、記憶の想起率(再生率)が高かったことを実験で証明しました。いずれにしても、記憶は消えたのでなく、整理されておらず、引き出しとの連携がとれていないだけなのです。
トロント大学の心理学者、エンデル・タウリング
上記の視点から考えると、記憶というのは、覚えることそのものというよりも、それをいかに必要な際に想起させることができるか?という問題なのかがわかります。そして思いだすためのフックとなる刺激が多種類である方がいいのです。
五感を刺激すると脳が活性化します。また、呼び戻す時もいろいろな感覚が使えることになります。
文字だけを見たまま覚えるというのは最悪で、ほとんど呼び戻すことができないでしょう。逆にビジュアルを加えたり、味、におい、音、肌感覚を加えてみたり、自分のエピソードや自分の日常の中に覚えたい事柄を登場させるのも一つの方法でしょう。手ごろな暗記法の一つは歩きながら声に出す方法でしょう。足を刺激することで脳が刺激され活性化されますし、声に出すことで、記憶はもちろん、のどの筋肉も刺激され、かつ耳も音を拾っているという意味で刺激しています。声は特に大事で、これは筋肉運動が実は検索性として有効だということを意味しています。例えば、長い単語でも、頭文字の音を出す真似をするだけで、その筋肉運動が検索をして、記憶を想起します。
とてもありえなくて笑ってしまうようなイメージや、恥ずかしくてしょうがないイメージ、社会的にタブーとなっているイメージなどとにかく印象が強い(刺激が強い)ものが良いでしょう。そういうものは、いつまでも想起しやすく、また一旦忘れてしまったようでも、想起が比較的用意だからです。またイメージは細部まで言語化する必要がないという意味でも便利です。文章をそのまま出し入れするというのはやはり難易度が高いです。イメージはいろんな情報を内包していて、かつそういった情報を想起しやすいからだといえます。
1つを思いだすことで、関連事項が芋づるのようにずるずると引きずり出されるようにするには、関連付けをするのがよいでしょう。関連づけには、マインドマップやメモリーツリーといったように、いろんなキーワードの親子関係意識しながら、全体像を書き、そこに色や絵を描き込んでいく方法がよいでしょう。こうすることで、タウリングの実験でいうように、検索性を高めるキーワードを1つの対象に対して、たくさん持つことができます。
一旦寝ると、余計なものと記憶したいものが整理されるといわれています。ジェンキンスの実験の通りです。
最後に、どういう合図で何を出すのか決め、繰り返し練習します。やはり練習することによって、記憶領域から簡単に引き出しやすくなります。これはスキーができるとか、泳ぐことができるということと同じで、できるようになるには、できない(失敗)を繰り返すしかありません。失敗を繰り返すという表現が実際はおかしいので、正確には、なにが再起(想起)できないかを明確化するプロセスによる成功への精度の向上というべきなのでしょうね。「成功の反対は失敗ではなく、なにもしないことだよ」ということです。
再度ポイントのまとめ
- 忘れるということは実は情報が検索できないだけである
- 検索しやすくするための情報インプットを工夫する
カウンセリングの現場では
心の悩みのご相談というよりも、今の能力をさらに高めたい!試験に合格したい!交渉力を高めたい!などという、心神が健康な状態でかつ積極性があるひとの相談でこういったことを提案したり、訓練のスケジュールリングやコーチングを引き受けることがあります。最終的には個人が創意工夫をどれだけ楽しめるか?労力を惜しまないか?にかかってきますが、その場合も、以前ご紹介した集中力や没頭ノウハウなどをご紹介やアドバイジングをします。
逆張りを考える
今日は記憶(暗記)の前に、忘却を意識することをすでにしました。
2回に分けて書けばよかったと後悔・・・ではなく反省(明るいもの)をしております。笑
しいて言えば、意図的に忘れることは難しいので、意図的(あるいは無意識が勝手に)に検索をブロックすることが忘却で、
映画で考える心理学
レインマン
記憶で思いだしたのが、あらゆることを記憶してしまう精神障碍者をダスディン・ホフマンがトムクルーズと演じたこの映画でしょうか。この映画のモデルになったキム・ピークという人は、サヴァン症候群であったらしい。映画では、落とした楊枝の数を瞬時に数え、また覚えているシーンがあり、実際、自閉症の人の一部には記憶領域が以上に発達した人がいて、一回景色をみただけで、写真のような風景画をかける人とかが実際に存在する。他にも、電話帳を読んで電話番号を片っ端から覚えているシーンや、その能力を利用してカードカウンティングをして一儲けしようとラスベガスに行くシーンなどが出てくる。いずれにせよ、覚えたことをコントロールできないというのは人間にとって人間性が失われることなのかもしれない。映画は、ビジネスで失敗し人生に負けかけた弟が父親の莫大な遺産を引き継いだ精神疾患者ということで、彼を使って人生をやり直そうと浅はかな試みをするのだが、精神疾患の兄とのやり取りを通じて、かえって自分が失っていた人間性に気付かされるという物語。我々ってこの兄弟の違いが微差から来ていて、トムクルーズ(弟)もダスディン・ホフマン(兄)のようになる可能性を秘めているっていうことをなかなか気づけないよなー。
レインマン 障害者って意味も英語であるけどレイモンド(兄の名前)の聞き間違い(シャレ)でもある。
出だしの続き。。。
第一ボードゲームの大会が盛り上がっている。大人だけで。しかも参加費用まで払って。そこまで人と人との触れ合いに飢えているのかもと思った。友達読んで家でやればいいと思うが、そこはお金で解決する社会になったんだと、復活をうれしく思うと同時にそこは悲しさもあった。