
競争って、人生の中のどのタイミングから始まったのかなあ?と思いをめぐらせてみる。幼稚園のかけっこだったかな?計算問題を解いたら貼れるシールの数だったかな?いや、お絵かきの枚数だったかな?と考えるうちに、家で弟とのかあちゃんからの愛の取り合いが競争の起源であることに行きつく。両親の親族は近所にはいなかったし、父は飲んでからでないと帰ってこない人だったから、愛情は1つしかなかった。弟は生まれたときから50%だけど、自分はどこかで急激に減少したタイミングがあったはずだ。
目次
- イントロダクション
- 今日のテーマ
- それぞれについての解説
- 再度ポイントのまとめ
- カウンセリングの現場では・・・
- 逆説的考察
- 映画で考える心理学
- エンディング
今日のテーマ
- 競争の構造に気付けます
- 競争が自分の価値観を見直すタイミングだとわかります。
- 競争が不幸とセットであることに気づくことができます。
学校でよいと教わったものも、過剰接収は副作用があります。競争の副作用を知っておきましょう。
それぞれについての解説
- 競争とは?
- 競争に負けた時、自分の本当の価値と価値観に気付ける
- 競争は不幸を呼ぶもの?
人間にある闘争本能。
相手を打ち負かすことで起こる爽快感を得たいという欲望。
競争に勝つことで得られるステイタス。物理的な報酬を手に入れたい欲望。
上司に競争相手よりも自分が認められたいという欲求
いずれにせよ、沸き立つ欲望を満たしたいため。
つまり、プロセスではなく、結果をわが手中にいれるための行為。
その結果を得られる人が限られている。資源が限られている。
なので、競争相手よりも頑張らないといけない。
しかも、自分のではなく、競争相手より頑張ったと評価してくれる人の価値観や価値軸で頑張らないといけない。
裏を返すと、自分の能力や現状、本心などがよくわかっていない状態で、走らされていることに気付かず、ただ横の人より速く走ろうとする。
横の人より走るのはただ漠然と、何も考えずにいいことだと思いこんでいる。その結果使う時間やエネルギー、お金のことを考えていない。その結果やっていたらできた別のことをや入手できた別のものを考えだにしない。
途中でつぎ込む努力も衝動的なので、長続きしない。自分に嘘をついてでも、頑張ることになる。
結果が手に入らなくても、やりたいことをやっているのであれば、そのプロセスも楽しめることができるはずだが、そうでもない。
競争に負けたのであれば、まず頑張った自分をねぎらってあげましょう。
競争を始める前にくらべ、できるようになったこと、得た知識や体験、人脈などを書き出したりして、自分の進歩を可視化していきましょう。
その競争の勝ち負けは別にして、全力で取り組んだことによって得たことを話し合ってみましょう。
ひととおりねぎらいが終わったら、今度はその競争にそもそも参加するべきだったのか、考えてみましょう。自分の人生においている価値観と比較して、その人生の価値観とどれぐらい重なっていて、どれぐらいかい離していたのか、可視化してみましょう。競争に負けた時こそ、自分の本当の価値と価値観に気付けるのです。
ウイリアム・ジェームズは、人生を不幸にするものの一つが競争だと言っています。
(19世紀後半に活躍したアメリカの哲学者、心理学者。アメリカで初めて心理学の講義を行った人物)
ラッセルは幸福論の中で、幸福とは何かを論じるにあたり、彼は数学者だったので、まず、幸福でない状態、つまり不幸を定義し、そこから幸福を議論した。かれのいう不幸の定義、つまり不幸をもたらすものの中に競争が登場します。
再度ポイントのまとめ
- 競争にも影がある
- 競争に負けた時、自分の本当の価値観や優先順位が見える
- 競争は不幸を呼ぶもの
カウンセリングの現場では
敗北感は自分を卑下します。ですが、それですべてが終わるわけでもないですし、これからすべてが負けると決まったわけでもありません。第一その人の人生にとって大事な勝負であったのかもわかりませんし、くだらないことを重要だとおもって頑張っていただけかもしれません。人間は過剰か過小の生き物で、つまり自分自身についても、ものすごいと過大評価するか、とってもくだらないとかなにもできないとか過小評価するものです。ここは意識の力とカウンセラーの力で現実を見つめ、中庸を保つタイミングであり、そのものの見方を習得するチャンスといえます(人間はへこんでいるときほど素直で人の意見が聞けますが、通常は人の意見が聞けません)。すばらしい機会が訪れたことにお腹から気づいてもらえるように、カウンセリングでは話をしています。
逆張りを考える
じゃあわかった!私競争しない!というのも問題です。こちらは単に嫌な現実から逃げいているだけの可能性があるからです。自分の人生や目標、やりたいことであっても、あまり気の向かないことや面倒くさいことは当然あります。そこにライバルがいるのであれば競争は必要です。もっとも本気でやっていればそういう競争もエンターテインメントとしてとらえられると思います。好きなことをしているのであれば工夫のし甲斐もありますし、苦にならないはずですからね。
映画で考える心理学
ウォール街
1980年代後半のウォールストリートにおけるマネーゲームを描いた映画。チャーリーシーン主演で監督はオリバー・ストーン。証券会社のブローカーつまり営業のバドは手数料を稼ぐために大口顧客を探していた。大口顧客とのパイプができ、彼から非合法のマネーゲームの戦術を教わっていき、彼は出世するが、途中でバドが買収によって労働組合員を救おうとしている航空会社を、彼はバラバラにして儲けようとしていることを知り意見が対立。彼のライバルに買収案件を譲り彼の元を去るが、証券監視委員会に不正が見つかり逮捕される。彼が成功の階段を上る間、会社では自分専用の秘書とオフィス(窓際)が与えられ、マンハッタンのペントハウスに引っ越し、モデルの彼女も手に入れる。それを彼の同僚かつ友人は面白くない目で見つめ、案件が取れない同僚はその間首になりオフィスを去る。上司は上り調子の時は彼の潜在能力を見抜いていたといい、捕まればそういうやつだったという。ただ一人、彼の先輩は上り調子の時も捕まった時も彼にベストなアドバイスを冷静に与える。競争に勝ち続けてもいつかは落ちるときがくる。その時、競争の階段を歩く自分を相手は見ているのか、本当のあなた自身と付き合っていたのかが分かる。彼のアドバイスは「人はどん底で初めて自分自身に出会う」というものだった。
まさに競争の副作用、”大きく落ちる”を見られる映画
このころのマイケル・ダグラス かっこよかったな。
オリバー・ストーンの中では個人的に一番好きです。
出だしの続き。。。
減少した時に納得できたのだろうか?ある程度愛情が満たされてると、次にもくもくとやりたいことを始められる。適宜上手にほめられれば、それがやりたいことになっていくんだろうけど、ここも満たされなかった人が多いんだろうなあ。でないと、幼稚園ですでに競争で1番になると愛情がもらえるのと勘違いが始まっちゃうものな。。。なんでも1番はとれないから。なれるものはより伸ばし、そうでないものの受け入れ方も相当幼い段階で学んでおいた方がいいんだろうな。。。