【映画で考える心理学】魔女の宅急便

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言わずと知れた名作。作品の説明なく、今日はいきなり始めます。

なぜ飛べなくなるのか?ジジの言葉がわからなくなるのか?

空を飛ぶ能力と、黒猫のジジと会話できるということがキキの唯一の魔力です。この魔力が彼女を魔女という、自分は他の人と異なるという実感(自己特殊感もしくはアイデンティティー)を定義していました。それが喪失するということは、自分が誰なのかという定義を失ったことと同じです。添いう言った意味で、「千と千尋の神隠し」と同じく、これも、名前がなくなるわけではないですが、一種の自我の喪失とそれを取り戻すことがテーマの映画といえます。与えられたもので定義された自分から、努力で獲得したもので定義された自分への再生の物語です。飛ぶ道具がほうきからデッキブラシへ変わったのはそのシンボルとも言えます。キキは名前の通り危機に追い込まれることで、突然失っていた力を取り戻します。喪失した自分を取り戻すには、努力だけでなく、追い込まれた逃げられない覚悟が必要ということをなのでしょう。ちなみにラストシーンで、黒猫のジジがキキにニャーというのは、この再生のプロセスは始まったばかりで、本当の自分の獲得はこれからということのメッセージにとれます。

なぜ13歳で家を出るのか?

しきたりというものに理由は存在しませんし、時に理不尽だったりします。理由がないから、逆に逆らえない、そこから逃れることができないといえます。家を出るというのは、イニシエーションで大人になるために人工的につくられた、自分を追い込んで苦労する機会といえます。大体元服というものが12~16歳ぐらいで、第二成長期に当たるときを指し、名前が与えられる仰々しい儀式をしたようですが、これもイニシエーションですね。

下宿&バイト先がパン屋である意味を考えてみる

パンというものはカジュアルな西洋のシンボルであり、西洋の生活感のシンボルといえます。おしゃれです。日本人の無意識の中で、パンを食するというのは西洋文化やカジュアル感を食すると解釈できます。食するのは同化や取り込みを意味します。さしずめ憧れを取り入れるプロセスともいえましょうか?ちなみに日本神話やギリシャ神話では、死後の世界で飯食うと元に戻れないという話があります。食事をするというのはその世界と同化するシンボルであるともここでも解釈できます。

男友達の名前が「トンボ」の意味

トンボは脱皮して飛べるようになる昆虫で、成虫になる前はヤゴといって水中に生息します。変態によって、大きく成長し、それまでどこまでが自分で、どこからが他人かよくわからない世界(水は無意識を表すといわれています)から、自由を一気に獲得し、空をとべるようになるイメージをトンボというキャラに込めたのかもしれません。

絵描きのウルスラ

絵描きの意味は、無から有を生み出す者として捉えることができると思います。他にも何もない真っ白なカンバスに絵を描くというのは、内側の世界をさらけ出すということ。正確にいうと、さらけ出したいという欲求。あるいは無意識が勝手に出てきたいと思っている状態ともいえるでしょう。意識や感情の解放をしたいというタイミングを意味しているので、キキのそれを先に成功させたモデルともいえるでしょう。


宅急便って商標なんですよね。宅配便が正式用語らしいです。


原作はこちら。映画の続きもシリーズではあります。

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